売り上げの前年比伸び率も二ケタ台が続いているなか、他のチェーンとの差別化を図るには、味や素材にこだわり、「うまさ」という付加価値をつけなければいけなくなってきている。
家庭の味を再現する惣菜や、たきたてのおいしさを味わえる白飯などの売れ行き増からも、コンビニの「台所」化が進み、利用者が台所の代理としてではなく、台所並みのうまさを要求してきている傾向が読みとれる。
SEはたとえば、ユニークなメニュー「冷製スパゲティ」(330円)でひとつの回答を示している。
ファストフード・メニューになりにくいスパゲティを冷製で処理し、同時に和風おろしとトマトという、誰からも愛されるソースで仕上げた。
2種類のソースとよく合う細いめんが特徴だ。
サンドイッチでもパンの素材を改良し、ハムやレタスの鮮度を保つため、5度以下に冷やしてもパサつかないようにした。
RSは、ダイエットに気を配るOLをターゲットに朋年から低カロリー弁当を発売した。
カロリー表示がしてあるのがミソで、「親子そぼろ弁当」(350円)は、幕の内弁当の約半分の400キロカロリーに抑えた。
FMでは、アラスカ産厚切り紅ザケを使用した「特製紅鮭幕の内弁当」や粗挽き肉を使いソースを改良した「満腹亭ハンバーグ弁当」などを、素材の違いを前面に打ち出して展開。
グルメ派への食い込みを狙っている。
生活背景の変化が、コンビニの「台所」化をますます進める思われる。
特に、これまではコンビ二弁当にあまり興味を示さなかった女性の客が増えてきているのは、見逃せない傾向だ。
不況の長期化で、昼食を安く、手軽にすまそうと近くのコンビ二で弁当を買うOLが増えているほか、仕事が忙しいため、夕食もコンビ二の総菜などを利用する動きが女性の間で広がっているのだ。
女性客の広がりに対して、SEは「ミニ井」シリーズを売り出している。
一人前の分量を350グラム程度と普通の弁当より2~3割おさえ、価格も330円と、弁当の中心価格帯より120円低く設定。
ミニ井の登場で、女性客の割合は確実に2割は増えたという。
ニーズに対応して売り上げ増に結びつけた典型だ。
ファストフードはコンビニの柱だ。
「台所化」に対応していくことで、コンビニ自体の社会への適応も進む。
この傾向は強まりこそすれ、弱くなることはないだろう。
つねに基本を踏みしめていることが重要なのだ。
「台所」であると同時に、コンビニはなんでも調達できる便利さをつねにアピールしていかなければならない。
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